カテゴリー
最新NEWS
アーカイブ
ジオイドモデル「ジオイド2024 日本とその周辺」への切り替えについてのご案内
地殻変動や累積誤差を含まない標高基準が完成
―「ジオイド2024日本とその周辺」の公開
国土地理院の発表に基づき、2025年4月1日より全国標高成果が改定されることになりました。これに伴い測量成果は『測地成果2024』へと改定されます。今回の改定に伴い、全国の電子基準点、三角点、水準点の成果座標(標高成分)が変更され、4月1日以降は新成果座標基準での測量が必要となります。

標高成果を改定する背景
国土地理院が管理する電子基準点、三角点、水準点等の標高成果には、長年の地殻変動によって現況とのズレが生じています。また、標高体系の基盤である水準測量は距離に応じて誤差が累積する特徴があり、日本水準原点から離れるほど標高成果の誤差が大きくなっていました。
期待される効果
本改定によって、これまで地殻変動で累積した現況と標高成果との位置関係のズレが解消することになります。また、衛星測位と「ジオイド2024 日本とその周辺」を用いて、現況にあった標高を従来よりも迅速に取得できます。例えば、大地震直後の復旧・復興工事において、迅速に標高成果を改定することができるようになります。加えて、公共測量において、新たに「GNSS標高測量」が導入(令和7年4月1日導入予定)され、公共工事等の効率化や生産性向上が期待されます。
このほか、日本水準原点から距離が離れるに従って蓄積していた標高の累積誤差も解消されます。
標高成果の改定後の対応や注意点
今回の更新に伴い、VRS/RRSを使ったRTK測位の結果も2025年4月1日を境に変化します。測地成果2024では高さ方向の座標(標高・ジオイド高)が更新されるため、2025年3月31日以前のRTK測位結果と4月1日以降のRTK測位結果とで高さ方向に違いが出ます。

測量行為を含んでおり更新が必要な事業
事業のための調査や工事等の測量(測量法上の「公共測量」)で標高を扱う場合は、改定後の標高成果(新標高)を使う必要があります(測量法第32条)。測量成果は一度定めると地殻変動によって時間とともに現実とずれた値になりますが、新標高で対応することで、より現実に近い値での管理が可能となります。
過去に実施した公共測量による標高(旧標高)を各事業のマニュアルやシステム等で用いている場合は、運用上の支障がないのであれば、旧標高を使い続けることを妨げるものではありません(計画機関等の判断に委ねます)。ただし、使用している標高の種類(新標高又は旧標高)を確認できる状態にする必要があります。
測量行為を含まない、もしくはすでに完了している事業
公共測量に位置づけられない事業や、すでに完了している事業に関しては、運用上の支障がないのであれば、過去の標高成果(旧標高)を使い続けることを妨げるものではありません(計画機関等の判断に委ねます)。ただし、使用している標高の種類(新標高又は旧標高)を確認できる状態にする必要があります。
新旧標高が混在してしまう事業
事業において新標高と旧標高が混在する恐れがあり、運用上の支障が生じると想定される場合、当該事業においていずれかの標高に統一していただく必要があります。新標高と旧標高とを換算するパラメータは国土地理院から公表予定です(換算には一定の誤差があるため、事業における誤差の許容範囲を踏まえた上で活用ください)。ただし、事業中に新たに基準点を設置する場合は、新標高で実施する必要があります(当該測量の成果が公共測量成果として別事業での測量に利用される可能性があるため)。
測地成果2024改定への対応《注意喚起》
- 標高成果改定日(令和7年4月1日)をまたいで電子基準点からの補正情報を利用する場合は、改定前後の高さ情報が混在しないよう留意する必要があります。
- ご使用されているGNSS受信機や標高を計算するソフトウェアなどは、この変更に対応したアップデートが必要となります。
- 新ジオイドモデルが利用できないアプリは使用不可になります。
補正情報によっては令和7年4月1日より測地成果2024に切り替わるものや、一定期間は測地成果2011のままで、しばらくのちに測地成果2024に切り替わるものなど様々なパターンがございます。
各社のマウントポイント選定や、GNSS機器/アプリの設定方法、ジオイドファイルの導入についてご不明な点がございましたら、弊社までお気軽にご相談ください。